一般に、波浪、潮汐(ちょうせき)、海流、海水の温度差によるエネルギーをいう。波による海面の上下動を利用して発電する波力発電(wave activated power generation)には、海岸線に発電装置を設置する固定式と、近海洋上・沖合などに係留させる浮体式がある。潮汐発電(tidal power generation)は、月や太陽の天体の引力により生ずる潮汐エネルギーを利用し、湾内にダムを設けて低落差で発電するもので、実用化しているプラントとしてフランスのランス発電所(発電出力24万kW)がよく知られている。潮の流れを利用して発電する方式を海流発電という。海流のエネルギーは膨大であるが、単位密度の低さと大掛かりな土木工事など数多くの技術的課題がある。海洋温度差発電(ocean thermal energy conversion)は、海洋の表層と深層の海水温度差を利用して、アンモニアなどの作動流体によりタービンで発電する方式である。ナウルやハワイなどで実験的な研究が進められてきたが実用化に至っていない。今後は発電だけでなく、栄養塩に富み雑菌の少ない深層海水を養殖などに利用していく発展も期待されている。