地熱発電とは、地下に存在する熱水や高温岩体の熱エネルギー(→「地熱エネルギー」)をタービン発電機によって電気エネルギーに変換する発電方式である。原理的には火力発電と同じ蒸気タービンを使ったランキンサイクル方式の発電技術であるが、燃料やボイラーを必要としない単純な発電設備であることが特徴である。そのことから地熱探査によって条件の良い水蒸気が得られれば経済的に優れた発電技術になる。しかし、実際にはボイラーにあたる地下の貯留層から得られる蒸気温度と圧力はそれほど高くなく、熱効率は十数%にとどまっている。
地熱発電には、発生する水蒸気の種類でいくつかの方式がある。地熱資源の大半は、蒸気と熱水が混合している熱水卓越型であり、200℃以上の地熱水から気水分離器によって蒸気を取り出し発電するシングルフラッシュ法が最も一般的な発電方式である。ダブルフラッシュ法は、分離された熱水を減圧沸騰させて蒸気を生産し発電する方式である。200℃以下の熱水の場合は、蒸気量が十分に得られないのでブタンやプロパン等の低沸点媒体を使って発電するバイナリーサイクル方式がある。