海洋環境に存在する微小なプラスチック粒子のこと。正式な定義はまだないが、一部の研究者は1ミリメートルあるいは5ミリメートルより小さいプラスチック粒子と定義している。世界的なプラスチック消費量の拡大に伴い、世界中の海洋に広く分布するようになった。その生成原因としては、(1)工業用研磨材、洗顔料や化粧品またはサンドブラスト用研削材の用途のために生産されたプラスチック粒子(プラスチックビーズ)、(2)プラスチック製品の原料として生産されたプラスチックペレット(一次マイクロプラスチック)、(3)海洋に流出した大きなプラスチックのゴミが壊れて細かい断片になったもの(二次マイクロプラスチック)、(4)衣類の洗濯による合成繊維の脱落、が指摘されている。これらマイクロプラスチックは海洋における滞留時間が長く、海洋生物によって取り込まれ、食物連鎖に入っていくことによる悪影響が懸念されている。さらに、プラスチック粒子の表面には、ポリ塩化ビフェニル(PCB)、ポリ臭素化ジフェニールエーテルなどの残留性有機汚染物質(POPs)が吸着されて高濃度になるとされ、これら有害化学物質を食物連鎖に導く経路になるとの指摘もあるが、影響はまだ研究途上である。