量子状態やエンタングルメントの圧縮や符号化、および限定された演算でどれだけの処理ができるかなどを扱う理論。古典情報に関するシャノンの理論(Shannon’s low 情報の本質部分だけを抽出し、最大の圧縮を導く理論)の量子版ともいうべきもので、それにエンタングルメントに関する理論を加味したもの。量子情報をどれだけ圧縮・解凍できるかについての理論は、ここ数年の間に大きく進歩した。エンタングルメントに関して重要なのは、離れた複数の系に対して「各地点で個別に行う物理操作と地点間の古典通信のみ許す」という、LOCC(local operation and classical communication)と呼ばれる状況設定である。圧縮・解凍以外の代表的問題としては、LOCCでエンタングルメントの蒸留(entanglement distillation)やエンタングルメントの希釈(entanglement concentration)をどう行い、どこまでできるかなどがある。現在も構築途上の理論である。