二つ以上の粒子、または量子力学的系の振る舞いが、古典的相関や通常の複合確率で扱えないような状態の性質。量子もつれ、あるいは量子相関、まれに絡み合いとも呼ばれる。古典論にはない概念であり、量子コンピューターや量子テレポーテーションにおいて不可欠となる概念。二つの系の間に完全なエンタングルメントがあるものはEPRペア(EPR pair)と呼ばれ、特に二つの量子ビット(二準位系)の場合はベル状態(Bell state)と呼ばれる。三つの量子ビットから成る場合はGHZ状態とW状態の2種類のエンタングルメントがある。四つ以上の量子ビットは分類が未完成であるが、重要なものとしてクラスター状態やディッケ状態がある。量子ビット間でなく多準位系間だとさらに複雑となる。なお、単に粒子間のエンタングルメントといったのでは具体的でなく、どの物理量のエンタングルメントかをいう必要がある。たとえば、光のエンタングルメントの中には、偏光の、周波数の、位相の、時刻の、光子数のエンタングルメントなどがある。