(1)量子通信路、すなわち入出力が量子情報であるような通信路の能力に関する理論。外部からの雑音、伝送損失、分散などが量子情報を忠実に送る通信路の能力にどのような影響をおよぼすかを明らかにする。量子情報理論と密接な関係があり、種々のことが解明されてきたとはいえ、現在も構築途上にある。
(2)上記の量子通信路をその内部に含むような古典通信路(最外入出力が古典情報である通信)に関する理論。通常の通信理論における相互情報量(mutual information 2カ所にある情報が、どれだけ連動して変化するかを表す指標)や、通信路容量(channel capacity 送信者の情報量のどれだけが受信者に伝わるかを示す指標)の概念が量子雑音や量子測定過程を中に含む通信路に対して適用される。通常の通信理論にないものとして、量子一括測定(collective measurement 個別に測定することでは得られない情報が得られる場合が、量子力学ではあるため、複数の系から成る系を一つの系として測定すること)や最適検出(optimized detection 情報を最大に引き出すような量子測定の方法)などの概念がある。