光子のように常に動き回っていて、演算の目的で設定された領域を通過することにより演算が行われる量子ビット。対する概念としてステイング量子ビット(staying qubit)がある。これは光子以外のほとんどの量子ビットにあてはまり、決まった場所にずっと居て、演算は電場や磁場を印加したり、他の量子ビットと相互作用した光子がやって来て相互作用したりすることにより行われる。光子以外では、2012年ノーベル物理学賞(The Nobel Prize in Physics 2012)を受賞したS.アロシュ(Serge Haroche)の実験のように、空中を移動して光共振器を通過する際にある種の演算が行われるリュードベリ原子(電子が高励起されながらも安定した軌道を維持している原子)も飛行量子ビットといえる。最近では、半導体に形成した電子回路を電子が通過することにより量子計算が行われる例もある。