伸び縮みしたり構造を変えたりする分子を利用したナノスケールの機械。光に反応して伸び縮みする有機化合物などを組み合わせて合成することで、光により腕を広げたり閉じたりする、全長3nm(ナノメートル nは10-9=10億分の1)、腕の長さ1nmのナノピンセット(nanotweezers)ができる。これは 分子ピンセット(molecular tweezers)とも呼ばれる。特定の場所で特定の分子、原子、イオンをつかみ別の場所に移動して離す分子機械として期待されている。DNAがもつ相補性を利用して動作するDNAピンセット(DNA tweezers)も報告されている。特に、ナノスケールの分子が外部からの制御された刺激により特定方向に振動するものは、分子モーター(molecular motor)として将来のドラッグデリバリーシステムなどに役立つことが期待されている。また、ナノスケールの車体と車輪を有するナノカー(nano-car)も報告されている。