医用目的で工学技術を駆使して生体機能の代替を目指すもの。代表的なものにバイオニックイヤーなどがある。最近では、人工網膜の研究も盛んに行われており、網膜にアクセスするタイプからコンタクトレンズのようなかたちで使用するものもある。また、サングラスのようなゴーグルに仕込んだカメラから得る映像を視覚情報として、額に装着した多チャンネル電極へ電気信号として伝え、その電気信号を額の皮膚を通じて認識する装置の販売も検討されている。そのほかにも、ペースメーカー、人工血管、人工関節などがあり、総じて人工臓器(artificial organ)と称されることがある。最近では、治療目的で生体機能代替のための技術開発・研究を指すことが多い。もともと、「バイオニクス」とは、生物系と工学系の融合した学問領域として、生体機能の回復・利用を目指し、発展してきた。これに近いものに、バイオミメティック(biomimetic 生物模倣、生体模倣)がある。メディカル・バイオニクスは、この「バイオニクス」を、より医療応用に特化したものであり、関連する領域にバイオニック医療がある。