ナノワイヤの中で断面の形状が楕円(だえん)形あるいは長方形で、特に幅が広く高さが小さいものをナノワイヤと区別してナノテープと呼ぶことがある。その形状から予想されるように薄膜からナノリソグラフィーを利用して作製する場合が多いが、自己組織化により形成される場合もある。例えば、サファイア基板上に成膜した十~数十nm(ナノメートル nは10-9=10億分の1)厚の酸化ニッケル薄膜を加熱すると、表面に生じる原子レベルの段差に沿って酸化ニッケルナノテープが形成される。同じように原子レベルの段差を使い、表面で拡散しやすい原子を堆積(たいせき)したときに拡散した原子が段差に集まる現象を利用することで、ナノテープ構造を形成することもできる。