地球上の気候は数億年から数年までのすべての時間スケールで変動している。変動する原因は自然的要因と人為的要因に大別されているが、人為的要因による温暖化を特に地球温暖化という。18世紀の産業革命以降、人間は大量のエネルギーを消費する工業活動とともに森林を破壊し続けた。その結果、大気の熱収支に大事な働きをする二酸化炭素、メタン、フロン12、一酸化二窒素の大気中濃度が増加している。これらの気体は地球の平均気温を上昇させる温室効果があるので温室効果気体(greenhouse gases)といい、二酸化炭素に換算すると年に約1%の割合で増加している。2006年の全球年平均濃度は、381.2ppmvであり、産業革命以前の約280ppmvに比べ、約36%強の増加を示している。1906年から2005年の世界の年平均地上気温は0.74℃/100年の割合で温暖化しており、1900-2000年の100年に比べて、0.14℃の上昇を示している。2007年に発表されたIPCC第4次報告書では、「地球の温暖化に関する人間活動の寄与」を90%の確からしさで認めた。その結果、温暖化による影響評価や、適応策に関する関心が高まっている。