2012年5月6日、茨城県から栃木県、福島県にかけての地域で同時多発的に4個の竜巻が発生した。そのなかで茨城県つくば市と常総市に発生した竜巻は国内最大級の強さで、藤田スケールF3だった。倒壊した家の下敷きになって中学生1人が死亡したほか、住家の倒壊やトラック・自動車の横転、ビニールハウスの倒壊など大きな被害を受けた。この日は上空5500mを氷点下20℃以下というこの時期としては非常に強い寒気が日本付近を通過する一方で、地上付近では南から暖かい湿った空気が流れ込み、大気の状態が非常に不安定になっていた。気象レーダーによるとフック状にくびれた降水エコーや風が渦を巻くメソサイクロンなどが観測され、F3の竜巻はスーパーセルに伴って発生したことが確認されている。竜巻の被害は激甚だったが、竜巻は幅500メートルで長さ17キロメートルという非常に狭い限られた地域に被害を及ぼしながら、時速60キロメートルの速さで18分という短時間に通過した。竜巻は非常に小さく、寿命が短く、たまにしか発生しない。前回観測されたF3クラスの竜巻は6年前の06年の北海道佐呂間町(9人死亡)に発生した竜巻である。