関数の関数によって、関数の理論が一般化される。これが関数解析である。19世紀末の積分を含んだ式から未知の関数を求める積分方程式(integral equation)に起源がある。積分作用素(integral operator)や微分作用素(differential operator)などがその対象。関数の集合に用途に応じた位相を入れて作用素の理論を構築し、微分方程式や積分方程式を扱う。この概念はシュワルツの超関数(distribution)として一般化され、さらに佐藤幹夫が拡張して佐藤の超関数(hyperfunction)とした。
この理論により、偏微分方程式の代数的取り扱いが可能となったので、この分野を代数解析(algebraic analysis)あるいは、佐藤と柏原正樹、河合隆裕の頭文字をとってSKK理論とよぶ。
関数解析は数理物理、応用工学を含む応用数学の諸分野に必須の道具である。例えば、物体の構造の解析に不可欠な有限要素法(finite element method)の理論は関数解析を基礎としている。