ユークリッド以来、実数は直線に擬せられていた。18世紀の終わりごろ、虚数を組み込んだ複素数の幾何学的解釈が進み、複素数の集合を平面とみる方法が生まれた。
具体的には、複素数a+biを座標平面上の点P(a,b)に対応させる。
このとき、OPの長さと∠xOPをそれぞれ、a+biの絶対値(absolute value)と偏角(argument)といい、
|a+bi|とarg(a+bi)で表す。
この平面上で、掛け算が面白い性質をもつ。すなわち、u,vを複素数とするとき、次式が成り立つ。
|uv|=|u||v|
arg uv=arg u+arg v
C.ガウスは、この性質を利用して、代数学の基本定理など著しい成果を上げた。この発想を進めて、イギリスのW.ハミルトンは四元数体(quaternion)を四次元空間表現に用いた。