CP破れともいう。素粒子において、互いに粒子(particle)と反粒子(antiparticle)とを入れ替えても性質が変わらないとき、C対称性(charge symmetry)があるという。また鏡に映したような運動が実際に起こる場合をP対称性(parity symmetry)があるといい、時間を反転してみた過程も起こりうる場合をT対称性(time symmetry)があるという。標準理論では、ニュートリノ(→「レプトン」)は左巻き(進行方向とスピンの向きが反対)のみで、P対称性の破れがあり、1964年にはK中間子の崩壊でCP対称性が破れることが発見された。相対論が正しいなら、おのおのの対称性は破れていてもよいが、CPT対称性は成り立つと証明されている。CP対称性の破れはT対称性の破れも意味する。