EPRはA.アインシュタイン(Albert Einstein)、B.ポドルスキー(Boris Podolsky)、N.ローゼン(Nathan Rosen)の頭文字。今、スピン(自転)がゼロである1個の分子が2個の同じ原子に別れて左右に運動していくとする。別れた原子はスピンをもち、一方が上向きなら、もう一方は下向きなはずである。しかし、左が上向きか下向きかは、測定するまでわからない。ところで、左の原子を測って上向きであれば、右に遠く飛んでいっている原子は下向きである。しかし、左の原子を測ったことを知って右の原子が下向きとなったとは考えにくいので、別れた時点ですでに右が下向きであることは決まっていたはずであり、それを記述できない量子力学は不完全だと指摘した(→「量子もつれ」「量子テレポーテーション」)。しかし、この指摘が成立していないことが実験で明らかにされている。