生体細胞の中でつくられ、一般に極めて高い触媒効率を示すたんぱく質。金属イオンやビタミンなどを補酵素として必要とするものも多い。酵素の触媒作用は極めて特異的で、ただ一種の物質あるいは一群の類似物質にしか作用しない。これを基質特異性(substrate specificity)という。また、関与する反応の形も特異的で、これを反応特異性(reacton specificity)という。アルコールデヒドロゲナーゼはエタノールを基質とし(基質特異性)、アルコールをアルデヒドに変換する(反応特異性)。酵素はその機能によって酸化還元酵素(オキシドリダクターゼ)、転移酵素(トランスフェラーゼ)、加水分解酵素(ヒドラーゼ)、離脱酵素(リアーゼ)、異性化酵素(イソメラーゼ)、合成酵素(リガーゼ)などに分類される。金属を必要としない酵素機能模倣物質(enzyme mimetics)も知られている。