大阪府八尾市にある弥生・古墳時代、古代、中世、近世の集落・河川・生産遺跡。八尾市文化財調査研究会が1998年、99年に調査した資料のうち、古墳時代中期(5世紀)中ころの住居跡から出土した高杯(たかつき)・壺などの土器が、形や胎土(土器作りに使った土)の特色から、南九州で製作した成川式土器であることが明らかにされた。久宝寺遺跡は、物部氏の本拠地の一つであった可能性が高く、また隼人(はやと、薩摩・大隅を中心とする南九州の有力集団に対する大和朝廷の呼称)が居住したと記録される萱振保(かやふりほ)(八尾市萱振付近と推定)に近いことから、成川式土器は南九州から近畿への移住を示すものと推定されている。