沖縄県石垣市の新石垣空港予定地内にある後期旧石器時代の洞穴遺跡。NPO法人沖縄鍾乳洞協会が、洞穴内からヒトの頭・腕・足などの骨9点を発見した。同協会、沖縄県立埋蔵文化財センター、琉球大学、東京大学が20代~30代前半の男性頭骨(左頭頂骨)の放射性炭素年代測定(→「放射性炭素年代測定法」)を行った結果、約2万年前の年代が得られた。他の人骨2点についても、約1万8000年前、1万5000年前と測定されている。従来、人骨そのものの年代測定が行われた例で最も年代が古いものは静岡県浜北市の浜北人(約1万8000年前~1万4000年前)であり、現在、本例が最古のものとなる。なお人骨の周辺の炭化物などを測定した例では、沖縄県那覇市山下町第一洞穴例の約3万2000年前が最古である。今後、人骨片からDNAが抽出されたり、顔面の骨や歯など特徴が現れやすい部分あるいは石器が発見されたりして、この最古の年代測定人骨の起源や、後の時代のヒトとの系譜関係が明らかになることが期待される。