演出家。1953年1月15日生まれ。早稲田大学卒業後、小沢昭一の主宰する「芸能座」に所属して様々な技術を学んだ後、演出家木村光一に師事。80年「ゴドーを待ちながら」で演出家デビュー。「こまつ座」などで井上ひさし作品を多数演出。その重層的な仕掛けに富む戯曲を読み込んで舞台化する経験を通じて、多彩な演出技法を身につけると同時に、音楽に対する造詣も深める。86年、文化庁派遣在外研修員としてイギリスのナショナル・シアターなどで研修。96年、「GHETTO」の演出で多くの演劇賞を受賞。演出家としての評価を固める。98~2007年、任期途中で逝去した渡辺浩子の遺志を継ぎ、芸術参与・芸術監督として開場まもない新国立劇場演劇部門を軌道に乗せ、さらに05年新国立劇場演劇研修所開設にこぎつけ、16年まで所長を務めて多くの俳優を育てた功績は大きい。在任中にも商業演劇の演出を多く手掛けるなど、前衛劇からミュージカル、オペラに至るまで、戯曲の深い読みと手堅い技法によってオールラウンドに実績を積み重ね、現在最も脂の乗った演出家の一人である。13年紫綬褒章。