1966年に実業家の山崎種二が、東京・日本橋兜町に日本初の日本画専門の美術館としてオープンさせた。76年には、2代目館長の山崎富治が、旧安宅コレクションの速水御舟(はやみ・ぎょしゅう 1894-1935)作品105点を一括して購入し、それまでの御舟作品と合わせて120点を所有する速水御舟の一大コレクションを有する美術館となった。その後、20世紀末に日本橋兜町から千代田区三番町での仮住まいの美術館時代を経て、2009年10月1日に、渋谷区広尾に新美術館をオープンさせた。新美術館開館特別記念展は「速水御舟」展で、久々に速水御舟の重要文化財「炎舞」や「名樹散椿」をはじめ多数の名品が並ぶ。以後、「東山魁夷と昭和の日本画」展(09年12月5日~10年1月31日)、「大観と栖鳳」展(10年2月6日~3月28日)と大家の展覧会を続けて発表。六本木のサントリー美術館や国立新美術館、それにリニューアルした南青山の根津美術館と近い距離に複数の美術館が集まり、美術愛好家にとって好ましい美術環境となった。