平面的な世界観を志向する建築のこと。アーティストの村上隆(1962~)が提唱した「スーパーフラット」の概念は、日本の現代建築においても指摘しうる。第一に、立体的な造形の組み合わせよりも平面的なデザインが注目されている。例えば、石田敏明(いしだとしあき 1950~)の小鮒ネーム刺繍店(1999年)は、コンピューターのモニターを模倣したかのような透明なファサードをもつ。若手建築家の石上純也のテーブル(2005年)は、9.5メートルの長さに対し3ミリという極薄のデザインであり、まるでCGの世界だ。第二に、SANAAのように、ヒエラルキーを解体した建築である。例えば、坂本一成(さかもとかずなり 1943~)のHouse SA(99年)は、どれか一つを特化させることなく、複数のデザインのシステムを並列させており、空間の階層構造が崩れている。