1960年代に世界に向けて発信された日本の建築運動。編集者の川添登(かわぞえのぼる 1926~)を中心として、菊竹清訓(きくたけきよのり 1928~2011)、槇文彦(まきふみひこ 1928~)、黒川紀章(くろかわきしょう 1934~2007)、大高正人(おおたかまさと 1923~2010)らが参加した。60年の東京における世界デザイン会議の開催にあわせて、来るべき社会のデザインを提唱するグループを結成。メタボリズムという名称は、新陳代謝を意味する生物学の用語からとっているように、部分の交換可能なデザインをめざした。つまり、完成して終わりではなく、ダイナミックな変化も抱え込んだ建築である。子供室を吊り下げた菊竹のスカイハウス(1958年)や、黒川の中銀カプセルタワービル(72年)などが、その思想をよく表している。