1907年、ブラジルのリオデジャネイロ生まれの建築家。1988年プリツカー賞を受賞。100歳を過ぎてもなお現役で活動し、20世紀最後の巨匠と言われたが、2012年12月5日に104歳で亡くなった。ニーマイヤーの特徴は、ときにUFOのようだとも評される、なめらかな曲線を用いたフォルムである。近代建築を生みだした素材であるコンクリートを使用しながら、有機的で官能性のあるデザインを志向した。若いときにはル・コルビュジエ(1887~1965)から影響を受け、1947年に国連ビル(国際連合本部ビル)の設計でともに参加している。67年の軍事クーデターによって亡命を余儀なくされたニーマイヤーは、パリで数年を過ごし、しばらく国外で活動した。彼の名声を決定的なものにしたのは、50年代のブラジルの新首都ブラジリアのプロジェクトである。都市計画は師であるルシオ・コスタ(Lucio Costa、1902~98)が手がけ、ニーマイヤーが諸施設のデザインを担当した。国会議事堂は、おわん型の二つのドームが特徴的であり、半世紀を経た今もモニュメントとして存在している。都市の景観全体を個人の建築家がつくりあげた希有な例であり、同時に20世紀半ばの未来的なイメージも体現したものである。