2016年6月に東京・天王洲アイルの寺田倉庫の一角にオープンした、建築模型の展示と保存を目的とする施設。「倉庫」を銘打っているように、整然と並べられたラック上に模型を直置きで陳列し、展示物を間近で鑑賞できる。またQRコードを介した情報の閲覧や、建築家が賃料を支払えば、ラック1台単位で模型を展示できるシステムなどを導入している。開館までに19組の建築家による模型が約200点ほど収蔵され、最大で500点の収蔵が可能である。主な収蔵模型に、香山壽夫(こうやまひさお)の聖イグナチオ教会、山本理顕(やまもとりけん)の日仏会館コンペ案、小嶋一浩・赤松佳珠子/CAtの流山市立おおたかの森小・中学校、坂茂(ばんしげる)のハノーバー国際博覧会日本館、青木淳の青森県立美術館のコンセプトモデルなどがある。プロジェクトの実現・非実現を問わず、過去のコンペや展覧会のためにつくられた模型や、設計段階でつくられるスタディ模型も含まれている。パリのポンピドゥーセンターやニューヨーク近代美術館(MoMA)が日本の建築家の模型やスケッチを収蔵しているのに対し、これまで日本には同種の施設がまだ少ないことを考えると、建築倉庫がそうした拠点の一つとなることが期待される。