男女の枠組みを取り払うことで、性別に関係なく着こなせるファッションのこと。コレクションでは、メンズにフリルブラウスやリボンなどを取り入れたアレッサンドロ・ミケーレによるグッチが代表的。スカート男子に代表されるように、女子よりも男子に圧倒的に多く見られるのが特徴で、中性的というよりも女子の服装やおしゃれを男子が取り入れるケースが増加、「ジェンダーレス男子」と呼ばれている。ジェンダーレス男子の特徴としては、派手なヘアカラー、カラーコンタクト、ネイルアートなどの取り入れ、女性と見まがうかのような細い体形や中性的なビジュアルなどが挙げられる。女子にはジェンダーレス男子に匹敵するような流れはないが、最近のトレンドから言えば「MA1」「チェスターコート」「ライダースジャケット」などの着こなしがある。だが、現代女性のファッションがメンズからアイデアを採ったアイテム、デザイン、素材などから完成してきた歴史を考慮すれば、女子にはあえて最近のトレンドをジェンダーレスファッションと称する必要はないと思われる。またジェンダーレスファッションとして最近のものでは、「ノームコア(Normcore)」がある。モノトーンを中心としたシンプルなアイテムでのスタイリングは、2014~15年まで男子ファッションのトレンドにもなった。norm(normalの略)は標準の意味、coreは「ハードコアなどのコア」を組み合わせた「究極の普通」の意味。例えば白いTシャツにジーパン、白いスニーカーなどが代表的。男子にはまだ愛用されているが、婦人服では16年には「脱ノームコア」というテーマが目立ち、装飾的なトレンドへと変化した。