マンガ、ドラマ、テレビ、アニメーションをはじめとする映像等のコンテンツを媒体として、作品の舞台を巡る観光。アニメの舞台となった地を訪ねるのは特に「聖地巡礼」と称することも多い。映画におけるフィルムツーリズムに相当する。各自治体でもロケ地や原作地を観光資源と捉え、幅広く情報伝達することが効果的と考えて、撮影誘致や誘致後の撮影支援、完成作品を活用した地域振興等を担うフィルムコミッションなどを設立する例も増えている。過去の顕著な例を挙げれば、テレビドラマ「北の国から」の富良野市、「新選組」の京都市、海外版では韓国のテレビドラマ「冬のソナタ」で使われた複数の撮影地などがある。産業観光(→「工場見学」)、グリーンツーリズム、メディカルツーリズム(→「ニューツーリズム」)、ヘルスツーリズム、スポーツツーリズムなど、最近、数多くの観光形態が登場しているニューツーリズムの一つと言っていいだろう。国土交通省、経済産業省、文化庁の3省庁による「映像等コンテンツの制作・活用による地域振興のあり方に関する調査」(2005年3月)では、「地域振興の観点からは、映画等のロケーションの誘致による直接的な経済効果だけでなく、映画、漫画(原文ママ)、アニメーションなどの舞台への観光客の誘致による経済効果も大きいことから、両方の観点から施策に取り組んでいく必要がある」とし、「コンテンツツーリズム」の重要性を説いている。また、「映像等コンテンツを活用した観光振興による効果」として、(1)地域の知名度の向上、(2)既存の観光資源の魅力向上、(3)新たな観光資源の創出を通じた集客力の向上、(4)住民の誇りの醸成などを掲げている。