視覚、聴覚、嗅覚、触覚などの五感情報を伝達し、あたかもその場にいるような、高次元の臨場感を伝える技術の総称。2007年に総務省と情報通信研究機構(NICT)が主導して超臨場感コミュニケーション産学官フォーラム(URCF ; Ultra-Realistic Communications Forum)を創設し、政府の長期戦略指針である「イノベーション25」のもと、25年の実用化を目指して本格的な研究が始まった。オーディオ・ビジュアルの分野では、スーパーハイビジョンによる映像の超高精細化、サラウンドサウンドの多チャンネル化による超立体音響、テレビの本格的な立体化(→「3Dテレビ」)などが該当する。具体的には、テレビの映像は、映し出された物体を視点に応じた角度から観賞できるようになり、触れば感触があって、香りもともない、音もその場にいるような空気感まで得られるような高度化を想定している。応用例としては、自宅にいながらにして、映画の世界を超リアルに体感できるようなエンターテインメント的な用途から、在宅勤務やミーティングといったビジネスの効率化、遠隔治療といった新しいサービスの実現などが想定されている。