粒子状物質(PM)や窒素酸化物(NOx)の排出量が少ないディーゼルエンジンのこと。2008年制定の「ポスト新長期規制」(→「排ガス規制(自動車排気ガス規制)」)という排出ガス規制の基準に適応する。日本ではディーゼルエンジンに対して、黒煙を出し、騒音も大きいといったマイナスの印象を持たれがちだが、ガソリン車よりも燃費が良く、CO2排出量も少ないという優れた環境性能を備える。これは、電子制御で燃焼の最適化を図る新しい燃料噴射システム「コモンレールシステム」によって、排気ガスや騒音など、従来のデメリットが克服されたことが要因だ。環境保護に敏感なヨーロッパでは、エコカーとして急速に普及が進み、日本でもCO2削減の観点から、次世代自動車の一つに認定。国による補助金や減税をはじめ、自治体による補助金など、購入する際に利用できるさまざまな優遇制度を用意して普及を図っている。こうした背景もあり、日本国内でもクリーンディーゼルエンジン搭載車が相次いで登場。とくにその開発に熱心なのがマツダで、「SKYACTIV-D(スカイアクティブ ディー)」を搭載する「マツダ CX-5」が、12年日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞。14年にもこの系譜を受け継ぐ小排気量クリーンディーゼルエンジン「SKYACTIV-D 1.5」を搭載した「マツダ デミオ」が同賞を受賞した。また、同社はディーゼルとエンジンと電動モーターを組み合わせたディーゼルハイブリッドカーを、16年度にも日本とヨーロッパで発売する計画も発表。JC08モード燃費は、通常のディーゼルカーを約3割上回る1リットル当たり40キロを目指すとしている。