2020年東京オリンピックの開会式と陸上競技が行われるメーンスタジアム、8万人収容の新国立競技場建設に関しては、当初予算1300億円が大幅に膨らんで周辺施設などの見直し論議が高まっている。それとは別に、陸上界にとって大きな問題は、ウオームアップなどに使用するサブトラックが常設されないこと。国際競技会では1周400メートルのサブトラックが必須。20年東京オリンピックでは、1991年の世界選手権東京大会と同様に仮設トラック(設置費用約3億円)を使用する構想となっているが、大会終了後には撤去され、日本選手権の開催も不可能になる。サッカー、ラグビーの関係者がメンバーに入っていた改修デザインの選定委員会にも陸上競技は蚊帳の外。オリンピック招致前の施設要件まとめの際に日本陸上競技連盟側がアピールしなかったこともあって「サブトラックは仮設」となり、国際基準を満たさない陸上競技場が生まれることになった。