日本野球機構(NPB)のプロ野球選手が、海外フリーエージェント(FA)の資格取得前にアメリカ球界に移籍できる制度(→「フリーエージェント制度」)。2013年12月に締結、発効した日米間選手契約に関する協定に盛り込まれている。選手が所属する日本球団が譲渡金を上限2000万ドル(約20億円)で設定し、その額を日本球団に支払う意思のあるすべての大リーグ球団が、選手と30日間交渉できる。契約合意に至らなかった場合、大リーグ球団は譲渡金を支払う必要がない。旧ポスティング制度は、最高入札額を提示した球団だけが選手との交渉権を得る規定だったため、有力選手を獲得する場合には入札金が高額となる傾向があった。これに対し新制度では、譲渡金に上限が設けられた上に分割で支払うこともできるため、市場規模が小さい球団も獲得に乗り出せるようになった。選手にとっては複数の球団との交渉が見込め、選択肢が広がる利点がある。13年12月には田中将大投手が楽天球団から新制度を利用しての大リーグ挑戦を認められ、ニューヨーク・ヤンキースへの移籍がまとまった。