[一言で解説]

被告人や被害者の親族が裁判員になったら、身びいきをした不公平な裁判だとみられてしまう。だから、そういう不公平な裁判をするおそれがある人を、裁判員から除外する。それが不適格事由である。

[詳しく解説]

たとえば、被告人の親は、いくら公平に判断しているつもりでも、被告人の肩をもった判断をしているとみられるのは当然です。そこで、不公平な裁判をするおそれのある人を、「被告人の親族」「同居人」などのように具体的に法律で決めて、それにあたれば裁判員から排除することにしています。それが、不適格事由です。ただ、具体的に漏れなく書いておくことも無理なので、漏れがないように、「不公平な裁判をするおそれがあると裁判所が判断した者」を、裁判員から排除できるとしています。「死刑判決は絶対に出しません」「誰でも厳罰に処します」「この事件は被告人が絶対にやってます」とはじめからいっているような人なら、不公平な裁判をするおそれがあると判断されるかもしれません。選任手続きで行われる質問で確認されるでしょう。

（関連項目）
→就職禁止事由
→欠格事由
→辞退事由