[一言で解説]

聞かれたことに対して、自分の意思に反して話さなくてもよいという権利。被告人にも被疑者にも認められる。

[詳しく解説]

逮捕されて取調べを受けても黙っていることができます。犯人なら反省してきちんと話すべきだとは思いませんか？　ですが、被疑者・被告人は、罪を犯したかどうかわからないからこそ、取調べや裁判を受けているのです。黙秘権が保障されるのは、そもそも人間の内面に、国家権力が入り込んで強制的に調べることが許されないからです。自分の知っていることを話すかどうかは、個人の尊重という点からいえば本人が決めるべきことであり、強要することはできません。
　たしかに、自分に不利にならないことならば、しゃべる義務を負わせてもよさそうです。しかし、もし不利なことだけ黙っていることができるとしてしまうと、黙っているのは自分に不利だから、つまり犯人だからだと推測されてしまいます。そこで、不利なことも有利なことも、一切黙っていることができるとしたのです。

（関連項目）
→容疑者（被疑者）
→被告／被告人
→供述