[一言で解説]
マスコミで使われる「再逮捕」とは、A罪で逮捕されている被疑者を、別のB罪でさらに逮捕することである。法律上の「再逮捕」とは、A罪で逮捕されている被疑者を、再度A罪で逮捕することであり、これは禁止されている。
[詳しく解説]
逮捕されると、通常は、48時間以内に送検しなければなりません。また、勾留も最長で20日と制限されています。このように、逮捕や勾留は、身体を拘束する期間の上限が制限されています。そこでもし、おなじ犯罪事実で逮捕・勾留を再度行うことを認めると、いくらでも拘束期間をのばすことが可能になってしまいます。そこで、刑事手続き上は、ひとつの犯罪事実について、原則として、逮捕・勾留は一回に限ることにしています。これを「一罪一逮捕一勾留の原則」といいます。
これに対して、マスコミでは「再逮捕」を別の意味で使っています。たとえば「県警捜査1課は、死体遺棄の疑いで逮捕された〇〇容疑者(59)を強盗致死容疑で『再逮捕』した」のように、ある犯罪(死体遺棄)の疑いで拘束中の被疑者を、別の犯罪(強盗致死)の疑いで逮捕することを、再逮捕とよんでいます。この場合は、一罪一逮捕一勾留の原則に違反しません。
(関連項目)
→逮捕
→送検(検察官送致)
→拘置(勾留)