[一言で解説]
刑罰を科せられる行為。何が犯罪かは法律で定められている。
[詳しく解説]
法律に違反する行為のすべてが犯罪になるわけではありません。犯罪とは、こういうことをしたらこういう刑罰を科する、と法律に定めてある場合の、「こういうこと」をさします。たとえば刑法199条では「人を殺した者は、死刑又(また)は無期若(も)しくは5年以上の懲役に処する」と定めてあるので、人を殺す行為は犯罪です。逆に、たとえば不倫は違法な行為ですが、刑罰は科されないので犯罪ではありません。損害賠償責任という別の制裁を受けるにとどまります。このように、法に定められた犯罪行為を行えば原則として犯罪が成立しますが、これには例外があります。たとえば、その行為が正当防衛や緊急避難と認められたり、被告人が心神喪失状態にあったと認められた場合です。例外として犯罪が成立しないこれらの事情を、犯罪の阻却事由と呼びます。厳密には、正当防衛と緊急避難は「違法性阻却事由」、心神喪失は「責任阻却事由」といわれます。
(関連項目)
→心神喪失/心神耗弱
→正当防衛
→緊急避難