住まいは生活の器。営みの場である住宅から生まれた生活の知恵や教訓が多いのはもっともなことであり、今なお現代人の生き方に十分通じるものがあることに気づかされる。これらから、いわば「日本人的感性像」を浮き彫りにする。(「イミダス2003年版」掲載・改訂)
悪人は畳の上で死なれぬ
新しい畳でもたたけばゴミが出る
家売れば釘の値
家選びは天井裏を見よ
家柄より芋茎(いもがら)
家は狭かれ心は広かれ
家貧しくして孝子顕わる
家持ちより金持ち
医者は重く言い番匠(ばんじょう)は軽く言う
浮き世の苦楽は壁一重
独活(うど)の大木柱にならぬ
大水出れば堤の弱り大風吹けば古家のたたり
起きて半畳寝て一畳
男敷居を跨(また)げば七人の敵あり
壁に塗られた田螺(たにし)
瓦(かわら)千年手入れ毎年
居は気を移す
口では大阪の城も建つ
下戸の建てたる倉もなし
甲張り強くして家押し倒す
小食習うて家つくれ
この世におっかないものは古家の漏りと米櫃(こめびつ)の舌だし
米の不作の年に普請する
根性に似せて家をつくる
災難なら畳の上でも死ぬ
堺の建て倒れ
三角屋敷は化けもの屋敷
敷居を踏むのは親の頭を踏むのと同じ
畳の上の水練
黙り虫壁を通す