2008年3月現在の景気の現況は、02年1月を谷とするバブル崩壊後3回目(戦後では通算14番目)の景気拡張期を継続中。06年11月には、戦後最長のいざなぎ景気の拡張期を超えた。今回の景気の大きな特徴は、02年央から03年央、および04年秋から05年央の2度の踊り場(→「景気の踊り場」)を経験したことであり、鉱工業生産指数の動きを見ると、二つの踊り場が生じていたことがよくわかる。いざなぎ景気のような一本調子の強い景気拡張とは異なるものの、05年版「経済財政白書」で分析されたように、今次の景気拡張では、バブル経済崩壊により生じた過剰設備、過剰雇用、過剰債務の「三つの過剰」がほぼ解消して企業体質が強化され、緩やかで息の長い拡張となっている。また、原油価格など海外商品市況の上昇を背景に、国内物価が上昇に転じ、日本銀行は06年3月に量的緩和政策を、そして06年7月にはゼロ金利政策を解除し、平時の金融政策へ移行した。