2013年以降の金融緩和政策に対する日本銀行自身が行った評価のこと。16年9月21日の金融政策決定会合で公表された。正式な名称は「『量的・質的金融緩和』導入以降の経済・物価動向と政策効果についての総括的な検証」。「物価安定の目標」が実現できなかった原因を検証し、今後の政策方針について示している。これまでの「貨幣量」(マネタリーベース)中心の政策が効果を発揮してこなかったのは、将来の物価予測への働きかけが不十分だったためと評価している。ただ、この点は従来からも指摘されており、評価としては不十分との見方が多い。また、これと併せて新たに「貨幣量」を中心とする金融政策から「金利」への変更が示されている。これを「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」といい、具体的には金融市場調節では日銀当座預金の一部に付されるマイナス金利を用い、長期金利は10年物国債を用いる方法を組み合わせた政策方針「イールドカーブ・コントロール」への変更を示した。