2010年度予算の編成にあたり、09年9月に発足した鳩山由紀夫内閣(当時)が、前麻生太郎内閣がすでに決定していた概算要求基準を廃止したこと。旧自公政権下では、次年度の予算編成にあたり、内閣府主導で策定されるいわゆる「骨太の方針」で予算の大枠を示し、それに基づいて、改めて予算の伸び率の上限を定める概算要求基準(シーリング)を財務省が作成し、閣議決定していた。しかし、民主党、社民党、国民新党の3党連立による当時の鳩山内閣は、概算要求基準の廃止を決定するとともに、同年8月末までに出されていた各府省の概算要求を再提出させるという異例の措置を講じた。各府省が財務省に提出した新たな概算要求を対象に、行政刷新会議のワーキンググループによる事業仕分けが行われ、概算要求の削減が目指された。事業仕分けにおいては、事業査察が公開され、国民の関心を集めたが、結果的に概算要求はほとんど削減されなかったことから、「概算要求基準の廃止」については疑問が出されている。