民主党、社民党、国民新党による3党連立内閣(当時)が新たに設けた行政刷新会議が中心となって行った、国の予算における無駄を洗い出す作業のこと。三つのワーキンググループ(WG)を設け、第1WGは公共事業や地方交付税、第2WGは年金や医療のような社会保障費、第3WGは教育・研究開発・防衛費などを担当した。各WGは、各省庁から出された概算要求を査定して無駄と判断した予算の縮減や廃止を決定。行政刷新会議を通じて政府に報告された仕分けの結果は、財務省が行う2010年度予算(→「政府予算案(2010年度)」)の査定に反映された。事業仕分けは、公開の場で行われたことから多くの国民の関心を集め、成果が期待されたが、削減額は7000億円にとどまり、当初目標の3兆円という目標を大幅に下回ってしまった(ただし、基金の返納などのかたちで約1兆円の霞が関埋蔵金が生み出されている)。前麻生太郎内閣時代に決定していた概算要求基準を廃止した上で、いったん出されていた各省庁の概算要求を改めて出し直させ、その概算要求を事業仕分けによって削減する予定であったが、今回の事業仕分けは財務省の査定前であったことから、10年度予算は92兆円になり、自民党時代の予算額を上回るものになった。こうしたことから、事業仕分けを行うより、概算要求基準を継続していたほうが予算額を縮減できたのではないかとの疑問が出されている。(→「概算要求の再提出」)