日本銀行が金融機関等から受け入れる当座預金のうち、準備預金制度上の超過準備(必要準備額を超える金額)に対して利息をつける制度。適用される利率は、日本銀行政策委員会が金融市場調節方針(→「金融調節」)として決定する無担保コール翌日物(オーバーナイト物)のレート(2010年10月以降、0~0.1%)から日本銀行が定める数値(いわゆるスプレッド)を差し引きした水準である。補完当座預金制度は、08年9月のリーマン・ショック以降において短期金融市場で大量の流動性供給が要請される一方、日本銀行としては文字通りの「ゼロ金利」になることは回避したいという互いに相反する要請を解決する方策として、同年11月の準備預金積立期間から導入された。当初は、09年9月の準備預金積立期間までの臨時措置であったが、同期間終了後も継続されて現在に至っている。なお、政府から一段の金融緩和要請が強まる中、12年12月の金融政策決定会合で、ある委員から「超過準備への付利撤廃」が提案(結果は否決)されるなど、文字通りの「ゼロ金利」への回帰が取りざたされている。