日本の金融機関が保有する債券に関する金利リスク。日本銀行が2014年10月に公表した「金融システムレポート」によれば、同年6月末における日本の金融機関(メガバンクなどの大手行、地方銀行と第二地方銀行からなる地域銀行、信用金庫の3業態合計)が保有する債券にかかる金利リスク量(全年限にわたり金利が1%ポイント上振れするケースにおける債券時価の変動額)は、7.6兆円上昇(内訳は、大手行2.6兆円、地域銀行3.0兆円、信用金庫2.0兆円)であり、ピーク時(13年3月末)の8.6兆円から12.5%減少した。業態別にみると、金利リスク量が減少したのはもっぱら大手行であり、地域銀行や信用金庫では高水準でほとんど横ばいである。異次元緩和政策のインフレ目標が達成された後の出口戦略において、金利上昇とともに地域銀行や信用金庫への打撃が懸念される。また、大手行の国債保有が中長期を中心に減少している一方で、日本銀行の国債保有が急増していることは、大手行から日本銀行へと金利リスク量が転嫁されていることを示唆している。