2018年4月現在、総務企画局、検査局、監督局の3局体制となっている金融庁が、18年7月1日から総合政策局、企画市場局、監督局の新3局体制に改編されること。1998年に金融監督庁として発足して以来、金融機関の不良債権問題に重点を置いた検査(→「金融庁検査」)を実施してきた検査局を廃止して、監督局に統合するのが今回の組織再編の柱である。業態ごとのモニタリングは、検査(オン・サイト)と監督(オフ・サイト)を一体化する。また、個別の資産査定に集中するあまり「形式主義」に陥っていたとされる「金融検査マニュアル」を19年4月以降には廃止し、金融機関の創意工夫を促すことによって、その育成を目指すとしている。金融行政の司令塔としての総合政策局は、官房機能に加え、金融システムや金融機関に共通する金融行政の戦略的課題、マクロ・プルーデンス政策を担当する。なお、従来の検査局でガバナンスなどの業界横断的テーマを担当してきたチームは、総合政策局に統合される。金融市場局は、所管法令の改正に加えて、フィンテックなど新分野への制度対応を強化する。