日本の長期国債が市場で異常な高価格(異常な低利回り)となっていること。日本銀行が2016年9月から実施している「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」では、指し値オペ(指定した利回りで金額に制限を設けずに買い入れ)によって10年物国債利回りをゼロ%程度で推移するよう誘導している。これは、今後10年間にわたって短期金利が0%近辺(若干のマイナス金利)で推移し、かつ長期国債に対する利回りプレミアムがほぼ0%であることと整合的な水準であり、日本銀行が19年度頃と予想する2%のインフレ目標(→「インフレ目標政策」)達成、および、それに伴う出口戦略(→「テーパリング」)の実行と整合的なプラスの長期国債利回り水準とは食い違っている。すなわち、目下の日本銀行は、日本国債市場におけるバブルを自ら生成している。一方、18年度の国債発行計画では、国債のマイナス利回りによる増収(国債入札価格が額面を上回ることによる収入)1.5兆円が織り込まれており、日銀による国債バブルを前提にした財政運営が一段と鮮明になってきている。