民間の組織でありながら、拘束力を有する規則の制定や規制監督の順守など行政機関に近い権限を与えられた機関。世界各国の証券市場で、伝統的に、証券会社の団体である証券業協会や証券取引所が自主規制機関として機能してきた。日本の証券取引法でも、取引所、協会は規則制定権を有し、会員や取引参加者を規制・監督する機関として位置づけられている。自主規制機関の存在意義としては、(1)日常的な市場監視などは現場に委ねた方が効率的、(2)一般行政機関では複雑な取引を解明する専門性が育たない、(3)人事・給与体系を公務員と別にすることで人材を集めやすくなる、などが指摘される。2006年6月に成立した金融商品取引法は、従来の証券会社を始めとする金融商品取引業者が様々な自主規制機関を設けることを想定した規定を置いたほか、証券取引所の自主規制機能を強化するために自主規制委員会や自主規制法人などの制度を設けている。