金融商品取引法違反者に対して、金融庁の審判官による審判を経て、金銭の納付を命じる制度。2004年の証券取引法改正に基づき、05年4月から導入された。07年6月末までに延べ23の法人、個人に対する課徴金納付命令勧告がなされた。対象となる違反行為は、虚偽の情報開示、風説の流布、相場操縦、インサイダー取引である。これらの行為に対しては、これまでも懲役や罰金といった刑事罰が科されていたが、刑事罰を科すほど悪質でない事案は放置されがちである。そこで、独占禁止法違反のカルテル行為に対して公正取引委員会が課す課徴金にならって、新たな制度が導入されることになった。従来、日本の証券市場監視体制は、アメリカのSEC(証券取引委員会)に比べて見劣りするとの批判が強かったが、課徴金制度の導入で、有力な武器を与えられた。最近では、従来不問に付されていた少額のインサイダー取引なども、積極的な摘発の対象となっている。