憲法調査会は2000年の通常国会から衆議院(衆院)と参議院(参院)に共に設置され、日本国憲法について広範かつ総合的な調査を行ってきた。05年4月に憲法調査会報告書を各院の議長に提出して当初の任務は終了し、憲法に関する調査は、衆院では05年に参院では07年に、それぞれの日本国憲法に関する調査特別委員会に引き継がれた。さらに07年に「日本国憲法の改正手続きに関する法律」(通称「憲法改正国民投票法」)が制定され、この法律では憲法および憲法に密接に関連する基本法制について広範かつ総合的に調査を行い、憲法改正原案の発議(ただし、公布後3年を過ぎてから可能)も行う機関として、両院に憲法審査会を設置することが規定された。審査会はその後長らく実際に発足することができなかったが、11年の第177回国会で憲法審査会規程が制定され、同年秋の第179回国会で委員の指名と会長の選出が行われ、法律制定から4年を経てようやく活動が開始された。12年に自由民主党(自民党)、公明党の連立に政権が戻った後は、憲法改正を目指す安倍晋三首相の意向もあって活動が活発化し、14年の通常国会では共産党と社民党を除く与野党の協議での合意を受けて、議員発議の憲法改正国民投票法改正案の審査を行い、これを成立させた。改正法は、従来の憲法改正国民投票法では18歳以上の国民が投票権を有するとするものの、公職選挙法で選挙権年齢が18歳に引き下げられるまでは投票権は20歳以上に限るとしていた点について、4年の経過期間を置いて18歳以上に投票権を認めること、公務員が憲法改正の国民投票運動を行うことを制約していたのを緩和することなどを内容としていた。14年の総選挙で自民党、公明党の与党が勝利して第3次安倍内閣が発足したことから、首相の意向で自民党は具体的な憲法改正の手順の検討に入っており、今後の憲法審査会の活動が注目を集める状況になっている。