開会式が行われた後、特別国会や臨時国会では総理大臣の所信表明演説が、通常国会では総理大臣の施政方針演説のほか外務大臣の外交演説、財務大臣の財政演説、経済財政担当大臣の経済演説の政府4演説が、衆議院(衆院)に続いて参議院(参院)の本会議で行われる。所信表明演説は総理自らの所信を述べ、施政方針演説は内閣としての方針を述べるという違いがある。このため施政方針演説は、各省の施策を網羅した総花的な内容になりがちである。政府演説に対して、衆院と参院の本会議で1日半ずつ3日間代表質問(正式には質疑)が行われるのが慣例。野党は党首、幹事長クラスを質疑者に立て、自己の立場の主張とともに、政府側の見解をただし、これに対して答弁が行われ、国会論戦がスタートする。2013年の第183回通常国会では、安倍晋三総理は前特別国会で所信表明演説を行わなかったために、国会冒頭でまず所信表明演説を行い、これに対する代表質問が行われた。その後12年度の補正予算を成立させて、13年度の本予算審議前に施政方針演説を行ったが、通常国会で所信表明演説と施政方針演説の両方を行ったのは、第2次田中角栄内閣以来39年ぶり。15年の第189回国会においては、前年12月の特別国会でやはり所信表明演説が行われなかったが、このときは安倍総理は第183回国会のように冒頭に所信表明演説を行うことなく、まず補正予算の処理を行い、2月に入ってから施政方針演説のみを行った。