国会が開かれる建物。所在地は東京都千代田区永田町1丁目。鉄骨鉄筋コンクリート造り、外壁は御影石で、内部も大理石その他最高品質の国産素材が用いられている。延べ床面積5万3466平方メートル、左右(南北)の長さ206.36メートル、奥行き(東西)88.63メートル、中央塔の高さ65.45メートル。わが国の議会は1890年(明治23)に開設されたが、財政難と開設期日の切迫により、当初は仮議事堂が用いられた(火災による焼失のため、第3回仮議事堂まで建築)。現在の議事堂は、帝国議会議事堂として1920年(大正9)1月に着工し、36年(昭和11)11月に竣工。その後日本国憲法の施行に伴い、国会議事堂に名称変更された。中央塔を挟んで左右対称形で、向かって左が衆議院(衆院)、右が参議院(参院)である。衆参の部分は地上3階、地下1階建てで、2階から(傍聴席は3階から)出入りする本会議場を中心に、周囲を議長室、委員室(参院では委員会室と呼ぶ)、会派の控室や事務局の部屋等が取り巻く構造になっている。中央塔は4階建て(塔屋最上部までは9階建て)で、前面の4本の大円柱の背後に中央玄関があり、入ると天井まで32.62メートルの中央広間がある。3隅には板垣退助、大隈重信、伊藤博文の銅像が置かれ、残りの1隅は台座のみ。中央広間から中央階段を上ると、総工費の約1割をかけた絢爛豪華な天皇の御休所がある。御休所は3階で、その下の2階部分は、院内閣議室、院内総理大臣室などの内閣の用に供されている。院内の廊下には赤い絨毯(じゅうたん)が敷かれていて、「赤絨毯」は議事堂の俗称でもある。議事堂本館のみでは手狭なため、衆参とも委員会等のために敷地内に分館を建てている。2003年(平成15)に本館中央塔頂部が落雷により損傷して補修工事が行われたほか、08年から09年にかけて本館の外壁の高圧洗浄が行われ、建築時の白っぽい外壁がよみがえった。内部の見学である参観は、衆参がそれぞれ独自の方式でやっているが、共に議員紹介によるものと、紹介によらない一般のものがある。