民主党はもともと「寄り合い所帯」と言われるように、党としての結束力に弱く、旧出身政党ごとのさまざまなグループに分かれて活動することが多い。しかし、それらのグループには自由民主党の派閥ほどの結束力や永続性がなく、代表選や党人事のたびに流動化して新たなグループが生まれたり、所属議員が入れ替わったりする特徴がある。2009年8月総選挙後は所属議員が大幅に増えたことと政権に就いたことから各グループが派閥化を強めたが、12年12月総選挙で政権を失うと議員が大幅に減ったためグループの活動が低下した。14年12月総選挙で再び大敗し、海江田万里代表が辞任したのを受けて、15年1月実施された代表選挙をめぐってグループ活動が活発化した。15年1月現在、以下のグループがある。
【菅グループ】国のかたち研究会。菅直人、江田五月を中心にした旧民主党系の集まり。約15人。
【旧鳩山グループ】政権交代を実現する会。鳩山由紀夫を中心とする旧民主党系で保守寄りのグループ。鳩山が議員を引退し、有力メンバーだった小沢鋭仁、松野頼久は離党したため、事実上活動停止の状態。約5人。
【旧民社党系グループ】民社協会。高木義明ら旧民社党・旧同盟系の集まり。約15人。
【旧社会党系グループ】赤松グループ。赤松広隆ら旧社会党・旧総評系の集まり。15年1月代表選では細野豪志を支持した。横路孝弘を中心に01年12月発足した「新政局懇談会」を引き継ぐ。約20人。
【前原グループ】凌雲会。前原誠司、枝野幸男ら旧新党さきがけ系の若手中心の集まり。約20人。
【野田グループ】花斉会。野田佳彦ら若手中心の集まり。松下政経塾出身者が多い。15年1月代表選では岡田克也を支持した。約10人。
【旧羽田グループ】政権戦略研究会。旧新生党系で小沢一郎と立場を異にする羽田孜、石井一らベテラン中心の集まりだったが、主要メンバーが引退。現在は羽田雄一郎らが残る。15年1月代表選では細野豪志を支持した。約10人。
【細野グループ】自誓会。細野豪志が始めた勉強会「基本政策研究会」を改組して14年1月、政治団体として届け出た。当選5回以下の若手中心のグループ。15年1月代表選で細野豪志出馬の母体となった。約10人。
【大畠グループ】素交会。旧鹿野道彦グループを受け継いで大畠章宏を中心に集まった。15年1月代表選では長妻昭を支持した。約10人。
【玄葉グループ】「日本のグランド・デザイン」研究会。玄葉光一郎を中心とした中間派の集まり。15年1月代表選では岡田克也を支持した。2011年3月結成。数人。